M.ピカート「騒音とアトム化の世

世界に神を前提している。神なき世界、神を忘れた、あるいは神を否定する人間は無意味ということか。この神はキリスト教の神だが、ご利益神ではなく、沈黙の神だ。このロゴスとしての神が、世界を支え、世界に意味を与えている。

「個々のものを節度のなかに保つべき一つの世界の対抗重量がここには欠けているのである」これは当時(1950年代)の原子物理学に対する記述だが、これを現代の遺伝子技術に当てはめれば分かりやすい。著者が前提している神もこの線で了解できそうだ。 

 

津野梅太郎「最後の読書」

面白からず。読売文学賞受賞!らしいが。面白からず。以下4箇所に、付箋立てたり、秋の夕暮れ。

◎「まだ読んでいないの? それは惜しい。あれは探偵小説のように面白いよ。是非読んでみたまえよ」と臼井吉見が本居宜長の『古事記伝』について言うと、「かくて私は、その一言につられて『古事記伝』を読んだ。それは古事記という謎にみちた古典神話を、宜長が全知全能をかたむけた一大推理なのであった」しかし古書価が高い。岩波文庫で4冊揃い¥1万円くらいする。Kindleなら一冊¥100、全44冊¥4400だが、古文書の写真版なので読めない。

◎「その『古事記伝』をひきついで戦後の日本文学研究を代表する大学者、西郷信綱がまとめあげた『古事記注釈』という大著」

アルバート・ロード『物語のうたいて』。「古代ギリシャの吟遊詩人ホメロスが文字のない世界で、どのようにして『イーリアス』や『オデュッセイア』のような複雑な長編叙事詩をつくりあげ、それを語りつたえることができたのか、その「つくり方」や「おぼえ方」を明解に解きあかしてみせた」

獅子文六『自由学校』

 

 

 

 

「ALL IN ONE Restart」

 

10回目終了。語学はセンスだという。そのとおりだと思う。何でもそうだが、センスのない者がやってもモノにならない。かりにある程度モノにできたとしても、傾けた努力と、かけた時間にペイするか? あちらに行けば、バカだろうと、ヤク中だろうと、人間のクズだろうと、みんな英語をしゃべっている。膨大な時間をかけて勉強をして、そいつらとやっと肩をならべてうれしいのか? 生きられる時間はかぎられているのだ。やめとけ、やめとけ。