2023-01-01から1年間の記事一覧

人生を変えた時代小説傑作選

山本一力・児玉清・縄田一男選/文春文庫/2010 菊池寛「入れ札」1921 誰が親分(国定忠次)と逃避行を共にするか、入れ札(投票)が行われる。最古参だが人望の薄い九郎助は、何とか面目だけは保ちたいと自票を投じるが… 皮肉で苦い。卑小で滑稽な九郎助は我々…

J. ウォーレス & D.キース「ハンターキラー潜航せよ」

潜水艦バトルに加え、金融システム乗っ取り、ロシアンマフィア、SEALの大統領救出作戦など、読者をたっぷり楽しませるエンターテインメント。 サブマリン・バトルにおいて、艦長の経験とクレバーさが雌雄を決する余地はなくなりつつあるようだ。探索、探知、…

芹生公男編「現代語古語類語辞典」

Amazonより、芹生公男編「現代語古語類語辞典」届く。 「古語類語辞典」1995年、「現代語から古語を引く辞典」2007年、を経て完成した由。2万1千の見出しで32万4千の類語が引ける。 見出しは五十音順で、類語が時代別(現代、近代、近世、中世、中古、上代)…

諏訪根自子を聴く

諏訪根自子(スワネジコ)全盛期の1957年(37才)の公開録音。モノラル。 曲はバッハの無伴奏パルティータ第2番と、2台のヴァイオリンのための協奏曲。 指揮:斎藤秀夫 オーケストラ:桐朋学園オーケストラ 第二ヴァイオリン:巖本真理戦前、天才少女として…

貴志祐介作品

「クリムゾンの迷宮」 サバイバルゲームのイディオムで小説を書いたような作品。 もっとも有利と思われたチームが、なぜか徐々に、おぞましい変身を遂げていくところが、実に怖い。 再読だが、内容をほとんど忘れていたことも手伝って、十分に楽しめた。「黒…

コレクション日本歌人選 葛原妙子

水かぎろひしづかに立てば依らむものこの世にひとつなしと知るべし初期から晩年まで、50首を収録。各々に川野里子の解説を付す。 葛原の短歌は五千首近くあるらしい。その内から50首というのは、いかにも少ない。注文する時から分かっていたことだが、実際に…

狼は復讐を誓う

エアウェイ・ハンター・シリーズ 第一部パリ篇 大藪春彦 1975年発表主人公の西城秀夫は警察庁嘱託の一匹狼。冷徹なスーパーマン。仕事には絶対の自信があるようで、自分がやられるという恐怖はないようだ。常に冷静で冷笑的。目的遂行のためには残虐行為も辞…

ハンディ語源英和辞典

著者:小川芳男 昭和36年、有精堂出版縦15cm、横8.5cm(文庫本の幅を2cm狭くした大きさ)、厚さ1.5cm。 本文691ページ。前書きと凡例、計10ページ。 収録語数は記されていないが、10,000語程度と思われる。単語の意味・用法を語源に遡って解説している。ただ…