津野梅太郎「最後の読書」

面白からず。読売文学賞受賞!らしいが。面白からず。以下4箇所に、付箋立てたり、秋の夕暮れ。

◎「まだ読んでいないの? それは惜しい。あれは探偵小説のように面白いよ。是非読んでみたまえよ」と臼井吉見が本居宜長の『古事記伝』について言うと、「かくて私は、その一言につられて『古事記伝』を読んだ。それは古事記という謎にみちた古典神話を、宜長が全知全能をかたむけた一大推理なのであった」しかし古書価が高い。岩波文庫で4冊揃い¥1万円くらいする。Kindleなら一冊¥100、全44冊¥4400だが、古文書の写真版なので読めない。

◎「その『古事記伝』をひきついで戦後の日本文学研究を代表する大学者、西郷信綱がまとめあげた『古事記注釈』という大著」

アルバート・ロード『物語のうたいて』。「古代ギリシャの吟遊詩人ホメロスが文字のない世界で、どのようにして『イーリアス』や『オデュッセイア』のような複雑な長編叙事詩をつくりあげ、それを語りつたえることができたのか、その「つくり方」や「おぼえ方」を明解に解きあかしてみせた」

獅子文六『自由学校』