人生を変えた時代小説傑作選

山本一力・児玉清・縄田一男選/文春文庫/2010 菊池寛「入れ札」1921 誰が親分(国定忠次)と逃避行を共にするか、入れ札(投票)が行われる。最古参だが人望の薄い九郎助は、何とか面目だけは保ちたいと自票を投じるが… 皮肉で苦い。卑小で滑稽な九郎助は我々…

J. ウォーレス & D.キース「ハンターキラー潜航せよ」

潜水艦バトルに加え、金融システム乗っ取り、ロシアンマフィア、SEALの大統領救出作戦など、読者をたっぷり楽しませるエンターテインメント。 サブマリン・バトルにおいて、艦長の経験とクレバーさが雌雄を決する余地はなくなりつつあるようだ。探索、探知、…

芹生公男編「現代語古語類語辞典」

Amazonより、芹生公男編「現代語古語類語辞典」届く。 「古語類語辞典」1995年、「現代語から古語を引く辞典」2007年、を経て完成した由。2万1千の見出しで32万4千の類語が引ける。 見出しは五十音順で、類語が時代別(現代、近代、近世、中世、中古、上代)…

諏訪根自子を聴く

諏訪根自子(スワネジコ)全盛期の1957年(37才)の公開録音。モノラル。 曲はバッハの無伴奏パルティータ第2番と、2台のヴァイオリンのための協奏曲。 指揮:斎藤秀夫 オーケストラ:桐朋学園オーケストラ 第二ヴァイオリン:巖本真理戦前、天才少女として…

貴志祐介作品

「クリムゾンの迷宮」 サバイバルゲームのイディオムで小説を書いたような作品。 もっとも有利と思われたチームが、なぜか徐々に、おぞましい変身を遂げていくところが、実に怖い。 再読だが、内容をほとんど忘れていたことも手伝って、十分に楽しめた。「黒…

コレクション日本歌人選 葛原妙子

水かぎろひしづかに立てば依らむものこの世にひとつなしと知るべし初期から晩年まで、50首を収録。各々に川野里子の解説を付す。 葛原の短歌は五千首近くあるらしい。その内から50首というのは、いかにも少ない。注文する時から分かっていたことだが、実際に…

狼は復讐を誓う

エアウェイ・ハンター・シリーズ 第一部パリ篇 大藪春彦 1975年発表主人公の西城秀夫は警察庁嘱託の一匹狼。冷徹なスーパーマン。仕事には絶対の自信があるようで、自分がやられるという恐怖はないようだ。常に冷静で冷笑的。目的遂行のためには残虐行為も辞…

ハンディ語源英和辞典

著者:小川芳男 昭和36年、有精堂出版縦15cm、横8.5cm(文庫本の幅を2cm狭くした大きさ)、厚さ1.5cm。 本文691ページ。前書きと凡例、計10ページ。 収録語数は記されていないが、10,000語程度と思われる。単語の意味・用法を語源に遡って解説している。ただ…

All In One Basic 10回目終了

無駄な努力。

語学は慰め

「ケータイ万能 フランス語文法」二回目終了。 現実への指向を持たない語学など、所詮パズルにすぎないと人は言う。その通りだと思う。だがもうそれでいい。未来? 夢? もうそんなものはどこにもない。残された時間があるだけだ。

「学問の技法」橋本努/ちくま新書

多くの学生がレポートや論文の書き方がわからず、最終的にまとめ勉強程度の卒論を書いて、大学を卒業していく。その一方で、何も教えなくてもすぐに「学問」に取り組める学生がいる。これには生活資本の格差の影響が大きい。上流層は高い生活資本にともなっ…

河盛好蔵「河岸の古本屋」

昭和30~40年代の文章集。過半、再読の価値あり。表題作を含む「パリ今昔」は言わばパリ小史にして、三読四読に価す。再読すべき章節に、鉛筆で印をつける。 書き込みや線引きは鉛筆にて。かつて三色ボールペンなるものが流行りおり、試してみるも、再読時に…

J.P.マンシェット「愚者(あほ)が出てくる、城塞(おしろ)が見える」 

ディック・フランシスやギャビン・ライエルが好きではない。しょっちゅう出てくる〈気の利いた〉セリフがうるさくて仕方ない。特にギャビン・ライエルはほとんど毎ページのように出てくる(という印象がある)。〈気の利いた〉セリフというのは、例の「男は…

初オークション

「古代の箴言」(仏語)に¥9260入札したが、落札できず。落札価格は¥16000。ろくに読めもしないのだが、箴言集なら仏文読解の演習に良いかと思ったのだ。そんなものペーパーバックでいくらでもありそうなものだが、それではモチベーションが上がらない。だ…

M.ピカート「騒音とアトム化の世

世界に神を前提している。神なき世界、神を忘れた、あるいは神を否定する人間は無意味ということか。この神はキリスト教の神だが、ご利益神ではなく、沈黙の神だ。このロゴスとしての神が、世界を支え、世界に意味を与えている。 「個々のものを節度のなかに…

津野梅太郎「最後の読書」

面白からず。読売文学賞受賞!らしいが。面白からず。以下4箇所に、付箋立てたり、秋の夕暮れ。 ◎「まだ読んでいないの? それは惜しい。あれは探偵小説のように面白いよ。是非読んでみたまえよ」と臼井吉見が本居宜長の『古事記伝』について言うと、「かく…

「ALL IN ONE Restart」

10回目終了。語学はセンスだという。そのとおりだと思う。何でもそうだが、センスのない者がやってもモノにならない。かりにある程度モノにできたとしても、傾けた努力と、かけた時間にペイするか? あちらに行けば、バカだろうと、ヤク中だろうと、人間のク…